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【全数検査・抜取検査の役割】検査とは

更新日:2022年3月29日



「検査」とは、不良品が後工程やお客さんに出荷されないように品質を保証するために行うサンプリング・測定・判断です。

規格内の良い製品であれば後工程に回すか、あるいは出荷して良いと判断し、規格外となる製品は出荷停止の判断をするために検査は必要な活動となります。


さて、この検査は目標とする品質や、どの段階で検査するかによって種類が分かれます。

今回は検査について紹介します。



検査タイミングは3つ

製造・工程プロセスに合わせて検査は3種類あります。

①:受入検査

②:中間検査

③:出荷検査


それぞれの役割について見ていきましょう



①:受入検査

サプライヤーから供給された製品に対して行う受入検査です。

例えば原材料や部品などの受け入れで不良が混じっていると、後々の工程で気づいたときには既に出荷直前ということがあります。受け入れ段階で、このロットは受けれいても問題ないのかを判断する検査が受入検査となります。


②:中間検査

工場内にて製造途中又は半完成品の段階で次工程に移動しても問題ないかという判断をするのが中間検査となります。検査するタイミングで労力や、後の処置が変わってくるので会社ごとに決める必要があります。

どの部門が、どのタイミングでどのような検査が必要かどうかを検討します。

検査箇所を増やすと不良発生を小規模で抑えることができますが、業務担当者の負荷が大きくなります。品質だけでなく効率性も検討する必要があります


③:出荷検査

お客さん先に出荷する前に行う検査です。完成品に対して行います。この検査に合格することが最終目標と言えます。



検査方法は2種類ある

①:全数検査

②:抜取検査


①:全数検査

製造した製品全てに対して検査を行います。最も厳しく正確です。製造数が多いと人手で検査するのが難しいことがあります。最近では機械による全数検査ができるようになってきました。

重機械のような少量生産は全数検査ができることが多いです。又は、不良率が多い場合や、製品が人命に関わるような場合も全数検査を行うケースが多いです。

一方で、強度を測定する破壊検査では全数検査ができない場合があります。


②:抜取検査

ロットからある程度のサンプルを抜き取り、それに対して不良を検査する方法です。

先程の破壊検査が必要な製品は抜取検査とすることが多いです。ロットに対してある一定以上の不良品がある場合は、そのロットを不合格にします。再検査するか、全数検査するかに変更します。

Minitabではこの抜取検査の計画を立てて分析できます。



最後に、無検査という方法もあります。過去の生産成績や定期的な検査を元に品質を保証する方法です。例えば半年や1年間のあるタイミングで不良率を計算して問題ないことが確認されたら、ある一定期間は無検査で出荷する方法です。今回は検査というテーマなので、検査方法からは除きました。



検査方法をどのように決めていくか

決まった決め方はありませんが、参考となる考え方があります。

「1つは予算、人的労力から決める」です。全数検査はお金も時間もかかります。もし不良を流してしまった時の損失と、それを防ぐために必要な費用・労力を比較して決めます。それだけでなく、その製品がどういった人たちが使うのか、不良が流れた場合の費用以外の損失(信頼、風評)リスクに点数をつけて決める方法もあります。


もう1つは「品質を指標に決める」です。製造する製品数と、許容できる不良数からどのように検査するかを決めます。過去製造した製品の不良が少ない場合は、全数検査ではなく抜取検査で十分かもしれません。ただ過去に不良数が多かった場合は、抜取検査では十分に品質を保証できないことがあります。その場合は全数検査(又はそれに近い)を行う必要があります。

Minitabでは、製造情報をいれることで必要な抜取検査数を計算できます。



これらはサプライヤーや顧客の要求に合わせて決めていく必要があります。特に許容できる不良数は、その製品特性やその後の製品の使われ方で取引先と決めていく必要があります。



参考図書:加藤洋一(1984). 『サンプリングと抜取検査』 . 日本規格協会 .

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