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執筆者の写真K. NAGAI

バスタブ曲線とワイブル分布の関係

今回は、バスタブ曲線とワイブル分布の関係をご紹介します。


こんな方におすすめ

  • 「バスタブ曲線」「ワイブル分析」という言葉を知っていても、統計的な信頼性分析にハードルを感じている方

  • 統計的な信頼性分析の基本を知りたい方


バスタブ曲線


バスタブ曲線は、時間の経過によるアイテムの故障率や生き物の死亡率を表す曲線です。その名の通り、バスタブ型をしています。初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期という3つの期間に分けられます。




ワイブル分布


ワイブル分布は、多種多様な分布の特徴を表せるため、信頼性分析で一番使用されます。ワイブル分布の形は「形状パラメータ」により変わります。様々な形のワイブル分布を見てみましょう。併せて故障率の時間経過もお示しします。


形状パラメータが0~1のとき、ワイブル分布は無限から指数関数的に減少しています(左側)。時間の経過による故障率をあらわすハザード関数(右側)を見ると、初期に故障率が高く、時間の経過とともに故障率は減少します。不良品は時間の経過とともに除外されていくためです。製品寿命の初期段階で発生する初期故障のことを、英語では「Infant Mortality」(乳児死亡)とも呼びます。



形状パラメータが1のとき、ワイブル分布は指数関数的に減少します。故障率は時間の経過に関わらず一定です。このワイブル分布の形状は、偶発的な故障や複数原因がある故障に適しています。




形状パラメータ1~2のとき、ワイブル分布は急速にピークに達し、その後時間の経過とともに減少していきます。故障率は初期に急速に増加し、その後もゆるやかに増加を続けます。この形は、初期の摩耗故障を表しています。



形状パラメータが2のとき、 故障率は直線的に増加します。製品寿命全体にわたり、摩耗故障のリスクが一貫して増加します。この形のワイブル分布は「レイリー分布」とも呼ばれます。



形状パラメータが3~4のとき、ワイブル分布は正規分布のように左右対称なつりがね型になります。故障率は、製品寿命末期に急速に増加します。ほとんどの故障が製品寿命末期に起こります。



形状パラメータが10以上のとき、ワイブル分布は極値分布のようになります。この分布のときも、製品寿命末期にほとんどの故障が発生します。



バスタブ曲線とワイブル分布の形状パラメータ


バスタブ曲線と形状パラメータによるワイブル分布の関係をまとめると、形状パラメータ0~1が初期故障期、形状パラメータ1が偶発故障期、形状パラメータが1より大きいと摩耗故障期を表します。

まとめ

この記事が、信頼性分析に一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。適合する形状パラメータを調べたり、ハザード関数を表示するのは、統計ツールが解決します。


さっそく統計解析ソフトウェアMinitabで[統計] > [信頼性/生存時間] > [分布分析(右打ち切り)] > [分布概要プロット]を選択してみましょう。


例題データと操作方法はこちらにございます。


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