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  • 執筆者の写真K. NAGAI

データ分析の力でヘルスケアサービスを改善する

更新日:2022年3月10日

2月17日に開催されたウェビナー

「データ分析の力でヘルスケアサービスを改善する」


内容を紹介します。


医療機関の方はもちろんですが、業界問わずこんな方にもおすすめの記事です。

  • データ分析の可視化、モデル化、改善結果の検証プロセスを知りたい方

  • CARTの使い方、分析結果の見方を知りたい方 -> CARTの部分のみ読む


Minitab 20.4以降のアドオン機能である「ヘルスケアモジュール」は、医療従事者と統計ソフトMinitabの橋渡しをします。

分析の専門家でなくても、普段使っている言葉のまま、分析をすることができます。


ヘルスケアモジュールでは、5つのKPIに焦点を当てます。

  • 待ち時間

  • コスト

  • 設備の利用率

  • 患者の安全

  • 患者の満足度

ヘルスケアモジュールを開くと、5つのKPIに分かれてメニューが表示されます。

※ウェビナーは英語で行われましたが、日本語で使用いただけます。


データは、一行一行が各患者に関するデータです。

1列目に待ち時間が保存されています。


ヘルスケアモジュール5つのKPIから待ち時間(Wait Time)メニューをクリックして、「待ち時間を可視化する」を選びます。

そして変数に"Wait Time"列を入れてOKを押すだけで


ヒストグラムが表示されました。

患者の待ち時間は、100分あたりが多いようです。


次に、保険に加入しているかどうか(第5列"Private Insurance"がYesかNoか)で待ち時間が異なるか調べてみましょう。

再び、ヘルスケアモジュール5つのKPI、待ち時間メニューから

「一つのカテゴリ変数によって、待ち時間が異なるか可視化する」を選びます。

カテゴリ変数"Private Insurance"による平均待ち時間を比べてみましょう。


Private Insurance = Yesの人は平均待ち時間が47分で、Noの平均112分に比べると半分以下です。


他の列も、待ち時間に影響があるかもしれません。

「複数因子との関係を使って待ち時間を予測する」を選びます。


応答"Response"は待ち時間です。

連続量の因子"Continus predictors"は、医師の数と患者の数です。

カテゴリ因子"Categorical predictors"は、機関名から保険の有無までの列です。

それぞれ欄を埋めてOKをクリックすると


CART回帰木が表示されます。中身をみてみましょう。


CARTの結果の見方

一番上のNODE 1には、7004行データがあり、全体の平均待ち時間が104分あることが書かれています。

診断コード"Diagnosis Code"がPの人は特別なグループで、平均待ち時間が250分と長いです。そのなかでも、特定の機関"Facility"では、平均待ち時間が294分とさらに長くなっています。


一方、診断コードがP以外の人(左側)は、平均待ち時間が92分です。

その中でも右側の診断コードJは平均待ち時間が141分と長いグループです。


診断コードJ以外で、保険あり("Private Insurance"=Yes)だと平均待ち時間は46分ととても短いです。


今回は、6つノードを持つCARTモデルを作成しましたが、Minitabでは他にも、TreeNetやRandom Forestsを使用したモデル、重回帰モデルを作成することができます。


予測分析モジュールの「自動化された機械学習」機能を使えば、可能なモデルの中から最適なものが自動的に選ばれます。

特に、モデル作成に慣れていない方にとって、とても便利な機能です。


設定画面は、CARTモデルを作成したときと同じです。


「自動化された機械学習」の結果をみてみましょう。

TreeNetのモデルがR二乗が65%で一番大きいです(適合が良い)。さきほどのCARTのR二乗が下に表示されており、60%だったので改善されています。

候補のモデルについても選択して確認することができます。

モデルの結果で、各因子の待ち時間への影響を見ると、TOP3は診断コード、期間、保険という結果になりました。

この結果をもとに、改善活動をして、改善後のデータを集めました。

最終段階として、改善後のデータ(After)を使って、改善前(Before)より待ち時間が短縮されたのか調べます。

ヘルスケアモジュールのKPI「患者の待ち時間」 で「待ち時間を減らす」を選びます。


「平均待ち時間が改善後に短縮されたか実証する」を選びます。

サンプルは"Time"、改善前/後の区別は"Improve"列です。


改善前後の差を見ると、10~15分程度短縮できたようです。

最後は「2サンプルt検定」という統計手法を使っていますが、手法の名前を知らなくても、「改善したか実証したい」と考えるだけで分析を終えることができました。


このように、ヘルスケアモジュールは医療従事者とデータ分析を橋渡しします。



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