自動車産業の代表的な品質マネジメントシステム規格、IATF16949が2016年10月に改訂して約5年経過しました。
この改訂は本来、「不適合予防と製造工程のばらつき削減」を目的としていますが、運用に課題を抱いている方が多くいます。
今回はIATF16949におけるよくある悩みから、具体的な解決案をご紹介します。
規格取得が目的になっている
IATF16949における最もよく聞くお悩みの一つです。
品質マネジメントシステム企画ISO9001に加えて、製造工程、コストなどの企業パフォーマンスの継続的な改善を対象としています。更にそこに、自動車産業の顧客志向に基づくプロセスアプローチが加わります。
規格に沿ったプロセスを行うために規格要求を第一優先としてしまい、本質である「継続的な改善」が疎かになってしまうケースがあります。
目次
「継続的な改善」は夢物語なのか
なぜ、規格取得が経営・製造パフォーマンスに直結しないのか、悩みを抱えるのでしょうか。
IATF16949は規格取得後からの運用が本番で、立場によって悩みが異なります。
特に現場の方からお聞きする悩みとしては、
本来のコアツールの役割を理解できていない
コアツールの要求対応が業務負荷になっている
他部署、他部門での情報が少なくそもそもの規格の本質を知らない
といったものがあります。
ここに「継続的な改善」を実現するヒントがあります。
コアツールの結果は担当者や部署に紐づく
コアツールとはIATF16949を実行する上で必要とされる技術的な手法を指します。
APQP:先行製品品質計画
FMEA:故障モードと影響解析
MSA:計測システム解析
SPC :統計的工程管理
PPAP:生産部品承認プロセス
(※ 「CP:コントロールプラン」をコアツールとしている場合もあります。)
これらコアツールには担当者ごとに実施する場合が多く、例えばSPCであれば品質保証部門が行います。
以下のようなイメージです。
問題となるのは、担当者が部署ごとに用紙した資料の連携が取れていないことです。
例えばMSAやSPCの結果がFMEAに反映されているか、現在の情報だけでなく、過去のプロジェクト・製品の過去トラなどの情報が引きづけているか
規格で要求されるコアツール単体の実施で終わってしまっていませんか。
「継続的な改善」にはコアツールの連携が必要
品質データを次の開発に活かすことができれば、より的確に改善できます。
過去トラ情報をFMEAに反映することができれば、未然防止・担当者の負荷低減に繋がります。
コアツールは単体の実施ではなく、連携することにより運用効果が高まります。
上流から下流までの一貫した情報連携、フィードバックを持つことによって、IATF16949が掲げている「継続的な改善」に繋がります。
下記日程でIATF16949で陥りがちな問題と課題から、効果を伴う導入についてご紹介します。既にIATF取得される方だけでなく、これから取得されている方にも役立つ内容となりますのでぜひお申し込みください。
開催日時:2022年9月29日(木)11:00-12:00
開催方法:Webセミナー
最後に
IATF16949のコアツールはそれぞれ単独で得られる効果は限りがあります。
「品質マネジメントシステム」と「経営マネジメントシステム」と位置付け、IATF16949を改善のためのツールとして活用することが大切です。
弊社では監査の前に必死で資料を整備しなくても良い仕組み、現場が「ムダなことをやらされている」を持たない仕組み作りを支援していきます。
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