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【抜取検査】AQL(合格品質水準)とは?

抜取検査を行う場合、ロットあたり何個サンプルを抜き取るか計画を立てます。

そのときに必要となる情報の1つとしてAQL(合格品質水準)があります。


今回はAQL(合格品質水準)についてとその決め方を3つ紹介します。


AQL(合格品質水準)とは

サプライヤーから供給された製品が、受け入れるに値する品質かどうかを判断するときに抜取検査が使われます。

その時、不良品は0に近いことが望ましいですが、工程能力CPkが1.33であっても不良率0.0063%(63.3ppm)です。

限りなく0%に近いですが、それでも0ではありません。 ただ不良率0.0063であれば、Cpk1.33を保証できるのであれば、その品質をもつ製品は合格とする。と決めていきます。

このように、どの程度の不良率なら許容できるかと考えて、許容できる最大不良率がAQL(合格品質水準)となります。



AQLの決め方に正解は無い

AQLは取引先と決めていくことになりますので、どの業務・製品にも適用できるAQLは存在しません。

その時の製品、不良の発生具合、影響度などを考慮して決めていきます。

以下では代表的な決め方の例を紹介します。


1. 顧客要求に合わせてAQLを決めていく

顧客要求や規格、技術的観点から決めていく方法があります。比較的不良の発生を探しやすく且つ排除しやすい製品であれば、ゆるいAQLを設定できます。

ただ複雑で不良を探すことが難しかったり、後工程に不良が流れてしまってはリスクが大きくなるものは厳し目にAQLを設定する必要があります。

ただその分労力が増えて不効率になるリスクが増えます。

そのため、納期や価格などのリスクを考慮して総合的に決めていく必要があります。


2. 不良品の階級に応じて決める

検査項目の重要度を決めて、それに応じてAQLを決めていく方法があります。

例えば製品の不良重要度を高・中・低で分類したとします。且つ、その1製品あたりの検査箇所数を加味してAQLを決めていきます。

検査箇所数が多い場合はゆるいAQLを設定し、検査箇所数が少ない場合はAQLを厳しくします。

1例として、

 ■不良重要度:高

  検査箇所数1~2:AQL 0.25%

       3~4:AQL 0.40%

 

 ■不良重要度:低

  検査箇所数1~2:AQL 0.65%

       3~4:AQL 1.0%



3. 過去の実績に基づき決めていく

過去に取引がある場合は、過去の品質データを使って決めていくことができます。

ある一定期間(半年、1年)の間に納品した製品の不良率からAQLを決めていきます。

過去の製品と同等のAQLであればサプライヤーには大きな労力はかかりませんが、品質の向上はあまり見込めません。

ただし過去の製品より厳しいAQLを設定すれば、不良ロットの検知が増えてくるので現場の混乱に繋がります。

現実的に可能な落とし所を決めていくことが必要となります。

特に新製品の場合は、類似製品の不良率を参考に決めていく方法がとられます。



3つ紹介しましたが、最終的には取引先と相談して、最終的にどこに落とし込むかを決める必要があります。

その時の指標になるのが3つの方法であり、製品の特性、測定箇所数、経済的リスクのバランスを取りながら決めていきます。

厳しい品質にすると取引が成り立ちませんし労力が増えます。しかしゆるい品質にすると知らずのうちに不良を受け入れてしまうこともあります。



参考図書:加藤洋一(1984). 『サンプリングと抜取検査』 . 日本規格協会 .

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