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【それぞれの特徴を知る】管理図の種類

更新日:2022年7月4日

品質管理、品質保証で生産の安定性を評価するために「管理図」が使われます。

管理図を使用することで、不具合や欠陥品が発生する前に異常に気づくことができます。そのためには適切な管理図を使うことが必要です。


今回は、管理図の種類とどのような特徴があるのかを紹介します。

最後には管理図手法一覧とそれぞれの特徴をまとめます。


目次




計量管理図

最も代表的な管理図です。

計量管理図には、製造品の長さや重量などの連続データに対して作られる管理図です。

品質保証で使われている管理図の大半はこちらにあたります。

Xbar-R管理図、Xbar-S管理図、I-MR管理図があります。




群を構成するサブグループサイズによりどの管理図を使用するか異なります。

こちらも合わせてご覧ください。


管理図を作らなければならないという方は、サブグループサイズを決めてからこの計量管理図を使うようにしましょう。



計数管理図

計量管理図と同じ考え方ですが、管理するデータが欠陥または不良の時に使用する管理図です。




欠陥:1つの製品に含まれる不具合。製品の傷の種類(擦り傷、穴、凹凸など)

不良:「合格、不合格」等と2値で表せられる場合


欠陥データはU管理図、C管理図が使われます。

不良データはP管理図、NP管理図が使われます。


計量データと比べて計数データは平均、標準偏差が計算出来ない場合があるので、情報量が減ります。そのため比較的、大きいサンプルサイズが求められます。また工程の小さな変化の検出には役立ちにくいというデメリットがあります。


なるべく計量管理図で管理することを意識しつつ、大量生産で簡易的に不良を検査できる場合は、計数管理図の使用を検討します。



時間重み付き管理図

監視方法を工夫することで、工程の小さなずれを検知するのに使用されます。

Xbar-S管理図だと、ばらつきが大きい工程だと小さな工程変動を見つけることは難しい場合があります。そういう時にこの時間重み付き管理図を使うことでばらつきが大きくなっている影響を取り除いて、小さな変動だけで監視することができます。



それぞれ、移動平均管理図、EWMA管理図、CUSUM管理図が存在します。



特徴は下の一覧表で説明します。



多変量管理図

多変量管理図は複数変数を同時に監視する管理図です。

複数変数が相関している時に使われます。


Xbar-Sなどで複数変数を監視すると、本来1変数が異常だと判断されているが、実際は他に影響を受けている変数から考えると異常ではないと判断することがあります。つまり誤検知が増えるのです。


以下の例は、温度と圧力で生産環境を調整している例です。

温度に合わせて圧力を変えることで一定の品質を保っているため、下記の赤枠部分内であれば製品は問題なく製造されています。


ただ、圧力を個別に管理すると以下のような結果になります。

2点異常だと判断されています。

温度の変化に合わせて圧力のとる値が大きく変わるため、異常と判断されています。

ただこの圧力は異常ではなく、温度に合わせた正常な値です。


このような複数の変数間の相関が高くなるデータを監視する場合に、多変量管理図を使います。

今回の場合、多変量管理図を使うことで温度と圧力は安定していると判断できます。



希少管理図

発生頻度が少ない希少事象を監視するために希少管理図が使われます。

感染リスクや合併症などの機会数に使われます。


P管理図やU管理図などの従来の管理図で希少事象を監視する場合、大量のデータが必要になります。希少管理図ではそこまで大量のデータを必要としない特徴があります。




管理図の種類まとめ

分類した管理図には様々な管理図が存在します。

管理図の種類とそれぞれの特徴をまとめた表がこちらです。



上記で紹介している管理図はMinitabで全て解析可能です。

皆様の業務に合わせて工程を管理したい場合は是非ご活用ください。



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