今回は、1サンプルが手元にあり、その母平均が目標と等しいかどうか調べる方法を解説します。
サンプルだけ見つめていても、その背景にある母集団についてどのように推定するのか見当がつきません。
しかし今、正規分布・Z分布・t分布という調べ尽くされた分布の知識を持っています!
サンプル + 統計の知識で 母集団について推定してみましょう。
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手元にあるのは1サンプル。当然、求められる標本平均Xbarも1つです。
標本平均Xbarを使って、母平均が目標と等しいか調べる手順は次のようになります。
1.「母平均=目標値」という仮説を立てる(帰無仮説)
2. 標本平均Xbarのt値を求める(vol.7参照)
3. 1の仮説が正しいときにそのt値になりうる確率pを、t分布から求める ・・・この確率p(p値)は、帰無仮説を支持する確率と言えます
4. 確率pがある水準より低ければ、仮説は正しくないと判断する ・・・帰無仮説を支持する確率が低いので、帰無仮説は正しくないと判断する。複雑なようんで、シンプルですね。
手順2,3でt値, t分布に関する知識を使います。
手順3の確率pの求め方は、vol.4 Z値・偏差値のときのイメージです。
t分布で、あるt値以下の面積を求めます。
・・・Z分布のときのように、
t分布のグラフを描きたいのですが、実は、t分布の形は自由度によって異なります。
(Z分布はたった一つだったのですが、、、)
この自由度、不偏標準偏差で気になるn-1にも関わってきます。
やっと「1サンプルから、母平均が目標と等しいかどうか調べる手順」にたどり着きましたが、まだまだ奥深い統計。
次回、自由度について解説します。
[2021, K. Nagai]
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