top of page
  • 執筆者の写真K. NAGAI

大人からはじめる統計 vol.7 t値の求め方

vol.1からここまで、統計的に推測を行う準備をしてきました。

その第一関門、標本平均から母平均について推測できるようになるまであと少しです。


前回ご紹介した、標本平均のZ値を計算する式を見てみましょう。




Xbar(標本平均)、n(サンプルサイズ)・・・サンプルから分かる

母平均・・・これについて推測したい

母標準偏差・・・どうする??


母標準偏差には、サンプルから計算した推定値を使います。

式は次のように表されます。



Xi:各サンプルデータの値

Xbar:標本平均

n:サンプルサイズ


上式のように、母標準偏差の推定値もサンプルから計算できます。

サンプルと、統計の知識があれば、母集団について推測できるのです。


この母標準偏差の推定値のことを不偏標準偏差といいます。





不偏標準偏差を使った、標本平均のZ値 を t値と言います*。



t値は、統計的に推測する多くの場面、具体的には検定や区間推定で使われます。

次回はいよいよ、標本平均から母平均について推測を行います。



注*厳密には、1サンプルの場合ですが、当分気にしなくて問題ありません。

 

統計小話 ~ビールと統計の関わり~


t値の"t"は何が由来なのでしょう?

t分布を発見したのは、ギネス醸造所に勤めていたウィリアム・ゴセットです。

ギネス社では、企業秘密のため社員が論文を投稿することを禁止していたため、

ゴセットはスチューデント(Student)というペンネームで論文を投稿しました。

t値のtはStudentのtと言われています。


[K.Nagai]





閲覧数:1,044回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page