ここまで左右対称な正規分布を見てきましたが、
確率分布は正規分布だけではありません。
今回は、左右に歪んだ分布を紹介します。
ここで問題です。
下の画像は、それぞれ右左どちらに歪んでいるでしょうか?
正解は・・・(下にスクロール)
予想と合っていたでしょうか。
ピークではなく、裾が長いほうに”歪んだ”と表現します。
「逆じゃないの?」とよく言われますが、裾に注目するのです。
最大極値分布
右方向に歪んだ分布としては、
最大極値分布があります。
最大極値分布は、最大値が従う分布です。
例えば、破壊試験をn回行ったとしましょう。
なるべく大きいnでイメージします。
各破壊面には複数の傷が観察されます。
その最大値をn回分プロットすると、右方向に歪んだ分布になります。
最大値の中でも、極端に大きい傷は限られる、というのは直感的です。
最小極値分布
左方向に歪んだ分布としては、
最小極値分布があります。
最小極値分布は、最小値が従う分布です。
例えば、n回鎖を破壊したとしましょう、
鎖は一番弱い環が壊れるので、
破壊強度 = 鎖の中で一番弱い環の強度(最小強度)です。
最小強度の分布を見てみると、
最小強度の中でも、極端に弱い環は少ないことがわかります。
最大極値分布と最小極値分布、いかがでしたでしょうか。
設備や製品の寿命 = 信頼性を予測するときによく使われます。
ちなみに正規分布は、
複数パーツが組み合わさっていたり、偶発的な事象が当てはまります。
個人的には統計を学び始めたころ、
なんでもかんでも正規分布をあてはめるのに疑いの目を持っていたので、
他の確率分布について知ると、もやが晴れていきました。
色んな分布を知ることで、データが正規分布に従うときも、
非正規のときも、自信をもって分析することができます。
特に色んな分布を使うのは、信頼性分析です!
分布の種類と特徴を知ることは信頼性分析の要。
個性豊かな分布たちを、今後も折に触れて紹介していきたいと思います。
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